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2019-04

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15分ライティング

お題は病気、青、影です。 shindanmaker.com/115553 25分から


忘れるとか忘れないとか忘れてとか忘れないでとかぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ。
眠っていたら角が、ちいさな角が、やわらかい、陰嚢みたいにやわらかく厚ぼったい皮膚に覆われて生えていた。
わあ、と思う。角といえば、犬歯みたいな。鮫の歯の化石みたいな。小さくて、鋭くて。
そういうのじゃ、ないの。
だけど角だという。
「鹿とかに似てるよね」
楽しそうに人差し指と親指で摘んで、ぐにぐにと弄んで遊んでいる。人の頭の上で。
「若い、子供の鹿の、生え立てのつの。」
つのつのつの、と歌うように言う。
「いいよね。若い鹿とか、おいしいし」
鼻の上に皺を寄せて歯を見せて、狐みたいに笑いながら、体を屈めて角を覆う皮膚にくちをつける。
「いい」
うっとり、言う。
「よくなどあるか」
佐助がくちをつけた所がむずがゆい。
「なにかの病気であろう」
「そうかなあ」
だとしても、と俺のつのに口をつけたまま佐助がとろとろと言う。
「季節が変われば抜け落ちるんじゃないのかなあ」
いいじゃない、伸びたら兜飾りいらなくなるよ。
うれしそうに言うから無防備な腹に拳を入れてやった。ぱしん、と俺の拳を素早く差し込んだ手の平で受け止めて佐助がふっと真面目な顔になって俺を見る。離れた体、夕方の青い空気が俺と佐助の間に鉄砲水のように流れこむ。とうとうと。音もなく俺と佐助の間に青い空気が満ちる。佐助の畳に落ちた影が冷たそうに黒い。
「いいじゃない」
「よくなどない」
「いいじゃない……」
目尻をほころばせて、泣きそうなのか笑っているのかしんみりしているのかよくわからない顔で、畳の影に目を落とす。そんなでも、旦那は、ふつうだから、いいじゃない、などと。首をひねって俺から逃げて、畳を見ながら言うものだからつられて畳に目を落とした。
さすけが、ふふ、と何かに目を滑らせて静かに笑う。
なにを見たかと同じ様に目を滑らせると、足元でわだかまる青い空気の向こう、水底のような畳の上に人の形の佐助の影の横に並んで、額からふたつ、まあるいつのを盛り上がらせて、俺の影がうつっていた。

22:37。限界!

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