らぶるす
この人が欲しいとか欲しくないとかあんたの愛はいらないとか愛じゃなくてもいいとかそんなんじゃないとかそれでもいいとかなんでもいいからそばにいたいとか。
あーめんどくせえ!
ってなるじゃん。なるじゃないですか。なるよね。
ねえ。
つったのにあんたときたら丸無視でもーどーしよーもないからドアを蹴ってやった。ガン!て結構おっきな音して、やべ、誰か来るかな、とか割合に小心者の俺様は首をすくめてみちゃったりして、だけどあんたは赤ペンで丸つける手は全然止まらない。さらさらとついてくマルバツ、数学とかいいよねえ採点楽だよねえ、なーんて。
あのさ戦国でさあ誰も死なないとこに生まれてみたいとか思ってさあ、俺様この世に生まれて嬉しかったりしたんですよ、そしたら今度は男同士がタブーでさあ、がっかりとかもしたんですよ、とか。
あんたの知ることじゃないし押し付ける気もないしだけどそれ言い出したらどこまでエゴでどこまで。
俺様あたまわるいからわかんないよ、センセー。とか。
「ねー」
職員室ばっかりクーラーきいてて窓開けたら熱風扇風機回しても温風に慣れてる体、と、制服にはここはやたらに寒い。センセーって毎日スーツで大変だよねえとか授業中思ってたのを撤回する。好きで着てるわけじゃないのは同じでも、それがルールだから着てるわけじゃなくて着てなきゃ風邪ひくから着てるっていうのも絶対ある。鼻水垂れるレベルだこれ。何度だよ、とか思って机から降りてクーラーを見に行く。20度だった。
「げ」
声が出た。何がクールビズだ。省エネだ。くつろげたシャツの襟元にどきどきした思春期のエロエネルギーを返せ。暑くってもネクタイ締めてろ。腹が立ったから腹いせに止めてやった。即効性はなくても後からじわじわ暑くなって苦しめ。
振り返る。夏休みだ。センセーがいない職員室ってなんだかしらじらとしてちょっと爽快だ。端っこの机で肘ついたまんま、手にインクずれこさえて片倉さんが座ってる。よどみなく動くペン。マル、バツ、ちょっと考えてサンカク、訂正。やっべちょっとカッケーわーセンセーだー、とか。なーんちゃって。……なーんちゃって。
しにたくなってくるのだ。前世であれだけ生きたい生きたい思って生き抜いて結局死にたくねーふざけんなとか暴れたい勢いで不慮の死を遂げたくせに、こうやって生きてて、たかがあんたがこっちを向かない程度でぼんやり、死にてーとか思うようになってたりとかして、もうやだやだやだなんもかんも、みたいな。
思春期の鬱屈、みたいな。
「ねえ」
寒いし。
「ねえ!」
無闇に悲しくなったりしてジョーチョフアンテー、保健室のとなりのカウンセリングルーム駆け込んで、せんせ、おれ数学の片倉センセと前世からの仲なのに全然振り向いてくれないんです、とか泣きわめいて病院贈られて見よっかな、とか。でも今世のハハオヤチチオヤ悲しむかな、とか。この人どんだけ俺様のこと大切なんだろ、とか。考えたら負け。自発的な感情の動きじゃなきゃ意味がない。ばかげてる。
ばかげてる話だ。
泣きたくなって、でも泣くのは悔しくて、足おもっくそ引いて、ガン、とか。音を期待したのに全然音とかしなくてむしろ足にめっちゃダメージきてもうなんかもう、もうむしゃくしゃするだいっきらいだ!って、あっという間に反転する、から、自分がこうだから、あんたを信用出来ないんです、なんて、まるっきり子供で
「ねえ俺様が好きとか言ってもあんた別に全然なんともなくってさ俺様ばっかり悲しいのずるいじゃん!」
言っちゃったりして。
しかもちょっと泣いたりして。
足痛いからだし、とか、自分に言い訳して、ていうか脳内だからちょう無意味だし。
しにたいし。
「死んじまえばーかばーかばーかばーか!!」とか言って三流ドラマみたいにこのあと片倉さんが死んだらちょう後悔するから、後悔しないために
「嘘だけど!」
とか言ってすぐ撤回するし!
ああもう死にたいってぐるぐるして廊下に出たら蝉鳴いてるしぶわって暑くて体中の毛穴という毛穴から水分が流れだす錯覚、体中暑いし頭の中ぐちゃぐちゃだし泣きたいし野球部なんか爽やかに練習してるしそのまま階段かけ降りたら確実に陸上部と鉢合わせる感じに掛け声迫ってきてるしもう、もう、もう、もう!!
とりあえず後ろ手にぴしゃんと閉めたドアを押さえたまんま無理やり開けようとする力期待して、こなくて、もうなんか涙腺爆発、ていうか、鼻水すごい俺、の20m弱となりのドアがガラって開いて
「終わったら話聞いてやるからともかく戻れ」
ばっかばかしい。
嬉しい俺様が一番ばっかばかしい。
沸騰した頭から血が逆流する。
ばっかばかしい。
このあと高速のってわざわざ千葉のラブホまで行ってセックスする。
あーめんどくせえ!
ってなるじゃん。なるじゃないですか。なるよね。
ねえ。
つったのにあんたときたら丸無視でもーどーしよーもないからドアを蹴ってやった。ガン!て結構おっきな音して、やべ、誰か来るかな、とか割合に小心者の俺様は首をすくめてみちゃったりして、だけどあんたは赤ペンで丸つける手は全然止まらない。さらさらとついてくマルバツ、数学とかいいよねえ採点楽だよねえ、なーんて。
あのさ戦国でさあ誰も死なないとこに生まれてみたいとか思ってさあ、俺様この世に生まれて嬉しかったりしたんですよ、そしたら今度は男同士がタブーでさあ、がっかりとかもしたんですよ、とか。
あんたの知ることじゃないし押し付ける気もないしだけどそれ言い出したらどこまでエゴでどこまで。
俺様あたまわるいからわかんないよ、センセー。とか。
「ねー」
職員室ばっかりクーラーきいてて窓開けたら熱風扇風機回しても温風に慣れてる体、と、制服にはここはやたらに寒い。センセーって毎日スーツで大変だよねえとか授業中思ってたのを撤回する。好きで着てるわけじゃないのは同じでも、それがルールだから着てるわけじゃなくて着てなきゃ風邪ひくから着てるっていうのも絶対ある。鼻水垂れるレベルだこれ。何度だよ、とか思って机から降りてクーラーを見に行く。20度だった。
「げ」
声が出た。何がクールビズだ。省エネだ。くつろげたシャツの襟元にどきどきした思春期のエロエネルギーを返せ。暑くってもネクタイ締めてろ。腹が立ったから腹いせに止めてやった。即効性はなくても後からじわじわ暑くなって苦しめ。
振り返る。夏休みだ。センセーがいない職員室ってなんだかしらじらとしてちょっと爽快だ。端っこの机で肘ついたまんま、手にインクずれこさえて片倉さんが座ってる。よどみなく動くペン。マル、バツ、ちょっと考えてサンカク、訂正。やっべちょっとカッケーわーセンセーだー、とか。なーんちゃって。……なーんちゃって。
しにたくなってくるのだ。前世であれだけ生きたい生きたい思って生き抜いて結局死にたくねーふざけんなとか暴れたい勢いで不慮の死を遂げたくせに、こうやって生きてて、たかがあんたがこっちを向かない程度でぼんやり、死にてーとか思うようになってたりとかして、もうやだやだやだなんもかんも、みたいな。
思春期の鬱屈、みたいな。
「ねえ」
寒いし。
「ねえ!」
無闇に悲しくなったりしてジョーチョフアンテー、保健室のとなりのカウンセリングルーム駆け込んで、せんせ、おれ数学の片倉センセと前世からの仲なのに全然振り向いてくれないんです、とか泣きわめいて病院贈られて見よっかな、とか。でも今世のハハオヤチチオヤ悲しむかな、とか。この人どんだけ俺様のこと大切なんだろ、とか。考えたら負け。自発的な感情の動きじゃなきゃ意味がない。ばかげてる。
ばかげてる話だ。
泣きたくなって、でも泣くのは悔しくて、足おもっくそ引いて、ガン、とか。音を期待したのに全然音とかしなくてむしろ足にめっちゃダメージきてもうなんかもう、もうむしゃくしゃするだいっきらいだ!って、あっという間に反転する、から、自分がこうだから、あんたを信用出来ないんです、なんて、まるっきり子供で
「ねえ俺様が好きとか言ってもあんた別に全然なんともなくってさ俺様ばっかり悲しいのずるいじゃん!」
言っちゃったりして。
しかもちょっと泣いたりして。
足痛いからだし、とか、自分に言い訳して、ていうか脳内だからちょう無意味だし。
しにたいし。
「死んじまえばーかばーかばーかばーか!!」とか言って三流ドラマみたいにこのあと片倉さんが死んだらちょう後悔するから、後悔しないために
「嘘だけど!」
とか言ってすぐ撤回するし!
ああもう死にたいってぐるぐるして廊下に出たら蝉鳴いてるしぶわって暑くて体中の毛穴という毛穴から水分が流れだす錯覚、体中暑いし頭の中ぐちゃぐちゃだし泣きたいし野球部なんか爽やかに練習してるしそのまま階段かけ降りたら確実に陸上部と鉢合わせる感じに掛け声迫ってきてるしもう、もう、もう、もう!!
とりあえず後ろ手にぴしゃんと閉めたドアを押さえたまんま無理やり開けようとする力期待して、こなくて、もうなんか涙腺爆発、ていうか、鼻水すごい俺、の20m弱となりのドアがガラって開いて
「終わったら話聞いてやるからともかく戻れ」
ばっかばかしい。
嬉しい俺様が一番ばっかばかしい。
沸騰した頭から血が逆流する。
ばっかばかしい。
このあと高速のってわざわざ千葉のラブホまで行ってセックスする。