2017-09

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ようわからん習作

※捏造ばさら
真田の娘の話。
BASARAに出てくる片倉小十郎の息子、片倉重長に大阪夏の陣以降傅育されて、結局重長の妻になった阿梅ちゃん萌えかわいいというはなし。ではないかもしれない。


父が嫁けと命じたのかも知らず、幼い頃から兄と父と慕って育った男についに娶られる事になった。
「阿梅殿」
お説教をするようなきまじめな顔で私を呼んで、実は前々よりそなたの父上から婚儀の申し入れを受けていた。よき日に青葉城の主君のところへ、などと言うから笑ってしまった。
そうすると憮然とした顔をするからまた笑ってしまって、ついには袖で目元を拭わなくてはならない程の大笑いになってしまった。
「阿梅殿!」
妹弟を泣かしたときと同じ調子で名前を呼ばれてようやく笑い止む。
男前がしかめ面をしているのを見上げた。
「わたくしに否やがござりましょうか」
また、くすりと笑いが零れた。

父は勇猛果敢だったが愚かだった。一国という誘いを蹴って、不利とわかりきった戦で忠義のために命を散らした。父の愚かのために叔父上……信之さまも本田様も心を砕き、そうして娘のわたくし一人のみならず妹三人弟一人、父に何の恩義もなく何の縁もあるでなし男のもと、父が敵とした天下人の世に育った。
そして今、兄さま兄さまと懐き、父親の幻想をその優しさに温厚さに誠実さに見出していた男に婚儀の申し入れなどされている。

「ござりましょうか、ねえ」
膝の上で握った手を開く。口の端を持ち上げて、首を傾げれば向かい合う顔が険しくなった。

たとえ父のもとで育ったとて望んだ婚姻など出来ぬが道理。たとえ父があの時、天下人を選んで一国の主であったとして、落ちぶれかけた家の顔も知らぬ、ただ縁を求めるだけの輩に是非にと乞われて形ばかりの妻になることだって、もちろん有り得る事であるのだ。
そも、わたくしたち五人の姉弟、真田と片倉家の間に何があるわけでもなく、ただ当主である目の前の男の温情に縋っているだけの穀潰しの身。
真田の名を欲しがるどこぞへと嫁へ出され、片倉家の地盤固めがために使われるのが順当なのだ。

それをこの人が欲しいという。わたくしの父上とのかねてからの約束であるという。そのためにわたくしを、妹を、弟を育ててきたのだという。
そうして、わたくしなどを欲しいと言って、いいだろうかなどと尋ねてくる。生真面目な顔で。
笑ってしまう。この人に娶られればわたくしは望んだより、随分と幸福な生涯を過ごすことが出来る。

「重長兄様」

わたくし。わたくし一人の体と心だけで、妹たちの背筋を伸ばしてやれる。
弟に真田の姓を、与えることだって出来る。
不自由なくとも肩身が狭い、それはわたくし達のせめてもの矜持であった。
のうのうと受け入れるわけではない、恥を知りながら、恥と知りながら、それでも生きるために。
それがわたくしたちのいいわけであり、わたくしたちを白石城で一人の人たらしめる呪文の文言であった。

今更戦国に生きた父を身勝手となじる訳でもない。ないが、選ばされるわたくしに、実質の選択肢など与えてくれなかったのは父だ。
わたくしの膝の上の手を重長兄様の熱い手が握る。一回りどころか二回りぐらい大きな手が、わたくしに鶴を折ってくださった手が、わたくしになぎなたの握り方を教えてくださった手が、わたくしに水蜜桃を剥いてくださった手が、わたくしに、庭で隠れて泣きじゃくるわたくしの、頭を撫でてくださった大きな手が、わたくしの手を、縋る風情で握る。
「阿梅殿。大丈夫だ。誰に反対をさせようものか。政宗殿も認めてくださる。」
まるで見当はずれな慰めをして、わたくしの背中をそっと撫でる。

腹の裡でひっそりと、かなしく微笑みながら涙をこぼしてうなづいて、弟に、二人揃って破廉恥となじられて笑った。今度は二人で顔を見合わせて。
笑って、半年後、わたくしは綿帽子を被って三三九度の杯を交わした。

そうして三年、奥方という暮らしにも慣れてきた秋に闖入者があった。
障子を何の挨拶もなく引き開けた、右目を黒の正絹で覆った男は、年をとってなお獰猛な顔つきで私を見下ろして
「お前が阿梅か」
言うなり、目尻をほころばせた。
「なるほど、眉が真田に瓜二つだ。なあ片小」
ごき、と首を回して振り向く先に夫がいる。
ぱちくりと瞬いたわたくしの前にどかりと胡座をかいて、にやりと歯を見せて笑った。
「……にいさま、こちらはどなたでしょう」
救いを求めて見上げた先、夫が渋い顔をする。
眼帯の男が口笛を吹いた。
「父上様のお知り合いですか?」
膝の上の繕い物をよけて膝を正す。尋ねれば、見つめる先でゆっくりと、眼帯の男が驚愕するのを感じた。
「お前」
喘ぐように言う。
「俺のことを何も真田から聞いていねぇのか」
「父上様は、戦のことは家では何も」
答えると、不機嫌そうに顔をぷいと背けた。
その顔に悲しみを見つけてわたくしは、伊達政宗だと吐き出された名前を聞いてわたくしは。

父の罪深さをもう一度、知ったのです。



石田どころか真田娘にもあんた誰される伊達はちょっと可愛いかなと思ったら、だてさなだかさなだてだかなんだかようわからんもんに仕上がった。

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