2017-09

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あるいはモンダミンとかリステリン(静帝)

「静雄さん」
小さく、せがむ声。あー、と曖昧な返事をして見上げた今日の空は俺が吐き出す煙とおんなじ白。つっても俺のは毒の混じった白の紛い物だ。ポケットから出した携帯灰皿にまだ長い吸い殻を押し付ける。
「今日俺昼に魚食った」
「ええー」
爪先立ったまま、あんまりにも不満そうな顔をするからしょうがねえな、と笑ってかがみこんで、ぷうと膨らませた頬と尖らせた唇に一回づつ小さく、音を立てて口づける。
「ふふ、ちょっと魚臭いです」
「だから言っただろ」
「……でも、味まではしませんでした」
そういう事を言うくせに顔を真っ赤にしてるから、勝てないなあと思うのだ。
夕暮れのトンネル。入り口に人影はない。毎日こんな所を歩いて学校に通ってるかと思うと少し心配になる、と言ったらあんまりにも男扱いしてないと言って怒るだろうか。むくれる顔を考えてちょっと笑いながら今日の晩飯の材料を入れたビニール袋を右手から左手に持ち替えて、改めてかがみこみ直す。
「……んぅ…、っふ……」
小動物の性器みたいな、薄くて震える舌の裏側を舐め上げれば眉間に皺が寄って堪える顔になる。じゅ、と二人分の唾液を啜って飲み込んで、上あごの歯列をなぞって舌を引き抜く。は、とこっちも少し詰めていた息を吐いた。帝人が開いた目は涙ぐんでいる。薄く開いたままの唇から荒い吐息。
「魚の味はしたか?」
不慣れなくせに、と微笑ましくなってつい意地悪を言ってみた。きゅ、と唇を引き結んだ帝人が眉尻を下げてこっちを見上げる。
「知、りませんよ……っ」
ぎぎぎ、って音でも聞こえてきそうにぎこちなく顔を背ける様子が微笑ましすぎて下腹がぞわぞわした。帝人。低い声で名前を呼ぶ。さっきの帝人同様、何も言わなくても意図が伝わるように。
「……みーかー、ど」
声だけで肩を震わせるのにどうしようもなく欲情した。薄桃色に染まった耳を齧ってやりたい。鞄の紐を命綱みたいに掴んでる手を掴まえて、指の股までしゃぶってやりたい。汗が浮いたら甘じょっぱいそれが伝う肌をじわじわと舐めあげて、懇願する声を、嬌声を聞きたい。

全部口に出したらどんな顔をするだろう。思考を誤摩化すために目を向けたトンネルの向こうの空は燃えるようなオレンジ。明日は雨か、ぼんやりと思う。無造作に手を伸ばして帝人の頭を撫でた。短い、細いのに固い髪が手のひらに刺さる感触を楽しむ。くすぐったそうに帝人が膝を曲げる、仕草に心がなだめられて我ながら目元が緩むのがわかった。
「帰るか」
口に出してから、自分の家でもねぇのになと気がついた。一拍遅れて、はい、と笑い含みの返事。
「帰りましょう。一緒に」
ダラーズを抜けてから後輩が出来て、恋人が出来た。今頃あいつらはどうしているだろう。もう関係のないあいつらに思いを馳せて、隣りを歩くつむじを見下ろす。気付くなりすぐに笑う顔。夕焼けも手伝って、満ち足りながらも奇妙に寂しい気持になった。
帰ったら飯を作って旅行番組でも見ながらだらだら食って今度はちゃんと歯を磨いてから、キスから順序よく始める教科書みたいなセックスをしよう。
離れるのが怖いとでも言わんばかりにしがみついてくる手を思い出せばにやにやと顔が緩む。
俺は馬鹿だろうか。肯定。それ即ち色ボケです。昨日後輩に問いかけた言葉を今度は自問して、昨日返ってきた言葉を思い出す。色ボケか。

暗くて薄寒いトンネルの向こうは茜色の世界。橙色に照らされて、くっきりと黒く濃い影が落ちる。
光に照らされてじんわりと暖まる体を、厭わしいと思わなくなったのは刀のお陰か、こいつのお陰か。ともかく。
人生初の色ボケだ。大目に見ろや。誰に言うともなく脳内で呟いて、俺は右手を帝人に差し出す。
明日から職場に歯ブラシでも持っていくか。そんな事を考えながら。
ヤンデレシズちゃんってヤンシズ?シズヤン?



みち、と肉と骨が圧迫される嫌な音がする。痛みが過ぎると悲鳴も出ない事を初めて、自分の体で知る。

「なんで話してた」

低い声で問いかけ。

「何で話してた?え?」

他人に向けられるのを聞いた事しかなかった恫喝。怖いというより悲しくて涙が滲む。

「帝人」

名前を呼ぶ声だけずっと変わらない。押し倒されたベッドの柔らかさと同じように。

「……ぅ、ふ……」

「泣いてちゃわかんないだろ?」

優しい声。背中に回されて固められた腕にぐ、と静雄さんの体重がかかってまた嫌な音が体の内側から響く。痛くて、悲しくて、何より途方もなく寂しくて……悔しい。ひとりぼっちだ、僕らお互いに。

傍にいれば二度と失う事なんてないと思ったのに。

「帝人」

嗜める調子で静雄さんが僕の名前を呼ぶ。もう僕の名字を間違える事だってない。なのにあの時より距離が遠い。骨が軋む。痛みで霞んだ思考の中、感情だけが暴走して錯綜、錯乱。寄りすぎてぶつかった肩甲骨がこすれて思わず喘いだ。腰骨に膝がめり込んで呼吸が止まる。

「言えないのか?」

邪推だ。目の奥にたまっていた涙のダムが決壊。落ちるそばから枕に染み込んで消えていく。伝った後が次々に乾いて痒くなる。違います。上擦った声は掠れて語尾が消えた。

「じゃあ」

腕が。手のひらが後頭部に当たる程押し曲げられて短く悲鳴。言えるんだよな?頭の上で静雄さんの地面をはうようなおどろおどろしい声。

「何で、話してた」

だって、矢霧くんは同級生で、それに。そんな事をいくら言ったって届かない。知っている。もうこれだって何回目の押し問答だか、10回目以降からもうわからないくらい繰り返した。

最初は臨也さんだった。話しかけられて、答えて、喋っている所に静雄さんがすっ飛んできて殴られた。臨也さんをぼこぼこにした後での一発。血管が浮いた拳での、強烈なパンチだった。殴った瞬間に静雄さんの顔が歪むのが見えた。吹っ飛ばされた僕が地面に頭をぶつける前に腕に抱きとめられて、そのまま病院に運ばれて……診断は頬骨の複雑骨折。病院の安っぽいパイプベッドの横で蒼白な顔をした静雄さんに何度も何度も、土下座までして謝られて抱きしめられて、退院した後は体中ふやけるぐらい優しいキスとセックスで慈しまれて。骨折の痛みが吹っ飛ぶぐらいに嬉しかった。

なのに。

どうしてこうなってしまったんだろう。静雄さんがダラーズを抜ける。そう言った時が一番辛くて、どうにかして傍にいられたらそれだけでいいと思っていたのに。

臨也さんの次は門田さんだった。その次は園原さん。それからサイモンさん。そして矢霧くんや、他のクラスメイト達。

違うと言っても、どんな風に否定しても届かない。涙がこみ上げて鼻の奥がつんとする。

何でと問われたって、ただの会話に意味なんてないのに。

「帝人」

静雄さんは泣いている。それが悲しくて、悔しくて、僕の涙も止まらない。





ヤンシズ、シズヤン、どっちでもいい。ヤンデレ静雄は萌える。ヤンデレ帝人も萌える。

ヤンデレ×ヤンデレのどろっどろ恋愛、とても、よい。



帝人くんの足の骨を折っちゃう静雄さんとかも萌える。自分で書くと萌えないけど。読みたいのでそういう話を知ってる人いたら誰か教えて下さい。

とりあえずヤンデレ静雄さんすごく萌える。「ごめんな」→バキボキィ、って流れとかちょう萌える。

怒り任せより、わかりきった上での暴力の方が好きだよ変態だよ!











で、そこだけ書いてみた。



「ごめんな」

静かで穏やかな声だった。意味を掴みかねて体から力が抜けた瞬間、腕が解放されて呆気にとられる。

ころ、と仰向けにされて目を見張って……静雄さんが拳を振り上げたのを見て全身が瞬時に硬直した。

太ももに拳が振り下ろされる。シーツを掴んで歯を食いしばって、のたうち回る事も出来ない。ごきゃ、と脳内で二度と再生したくもないグロい音。肉が潰れ る。骨が砕ける。剥き出しの神経に束になった針を押し付けられて掻き回される錯覚。右足の痛みに耐えきれず左足をベッドに振り下ろした、そして起きる振動 も痛みに繋がる悪循環。もがく僕を左手で易々と押さえつけて、静雄さんがもう一度右手を振り上げる。

それを見て出席日数がまた足りなくなる、とどうでもいい事を悲鳴のように真剣に強烈に考えたのは、きっと痛みを直視しないためだ。







夏辺りにオフで出すのは静帝ヤンデレ本なのでこういうのが入ってくる予定。世界で二人っきりに慣れない事に絶望したシズちゃんが、帝人を噛んだり引っ掻いたりして、それでも気が済まない、って唸って、抱きしめられたら許された気がして、何の脈絡もなく「ごめんな帝人、ちょっと、我慢な?」とか言って足の骨折って閉じ込めちゃうみたいな話。わぁいヤンデレヤンデレー!


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