2017-11

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うざやんでれかもしれない

こっちが会いたいんだから向こうだって会いたいと思ってくれなきゃ嘘だし。
こっちが愛してるんだから向こうだって愛してくれなきゃ嫌だし。
こっちが尽くしてるんだから向こうだって尽くしてくれなきゃ駄目だ。

「よく言うよねぇ、ああいうのさ」

とっくのとうに氷も溶けて、ぬるくなって薄くなっている、だろう炭酸をじゅ、と啜って臨也さんが笑う。
肩越しに指差した先では携帯電話越しの愁嘆場。はあ、と曖昧に返事をして持ち上げた、紙のコップがふやけている。指先が濡れた。
「変な刀とかよりたちが悪いよ」
ねえ?と同意を求めて笑う。この人は笑ってばっかりだ。ちょっと!と後ろで鋭い声。僕はウーロン茶を飲み下す。臨也さんの肩越しに、携帯電話の画面を見つめる女子高生。
「かわいそうだよね」
まったく見下した目で臨也さんが笑う。振り向かなくったってわかる、一つの恋の終わりを同情めいた言葉であざ笑った、ように僕には聞こえた。
「じゃあ、臨也さんは」
僕はストローから口を離す。汗をかいた紙コップの手触りのこころもとなさは僕の心の、居心地の悪さによく似ている。
「うん?」
言葉を止めた僕にまた、臨也さんが笑う。笑って先を促して、僕の言う事を聞いてどうするのか。どうせまた言い包められるのは面倒だ。間を持たせるためにもう一口、すすったウーロン茶は唾と同じ温度。僕は一気に気持悪くなる。

「……いえ、なんでもないです」
「えー?」
笑いながら、不満げな声。後ろでは女子高生が肩を震わせて立ち上がる。脂の匂い。効き過ぎた暖房。どこかから、煙草の匂い。喧噪。口の中のウーロン茶を僕は飲み下せない。日常とシームレスの異常。
この人が気持悪い
「なに……言ってよ」
相思相愛なんて信じてない顔で僕につきまとう。こっちが言ったんだから君も言わないと嘘だろう?なんて、自分だけは例外の顔をして視線のナイフを僕の歯の間にさし込んで無理にこじ開ける。そういう事の一切を口には出さないで。女子高生がポテトをゴミ箱にぶちまける。荒々しい足取りで僕の横を通り過ぎる、刹那に香る甘い香水の匂い。待ち合わせの相手のための装いだっただろうに、と想像してやっと僕は、喉元までせり上がっていたアレコレを口の中の液体と一緒に飲み下す。

「なんでもないですよ。臨也さん」
飲み下したウーロン茶が喉の中を通って胃の腑に落ちて行くリアルな感覚。この人は僕に好きなんて絶対に言わないだろうという異常な予感。

この人は、だけど僕の目を、園原さんからきっと背けさせる。
異様な確信が本物かどうかを僕はまだ知らないし、知りたくもない。

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