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2019-01

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いざみかかもしれない

君は馬鹿だね、と臨也さんが鼻で笑った。嫌がる僕に無理矢理口を付けた後に。
俺みたいなのには一口だって許しちゃいけなかったんだよ、と笑いながら僕を睨んだ。
怒ってるような剣呑な目で。
雑踏の裏側へ連れ込んで暴れるのを押さえつけて僕の頬に無理矢理口づけたくせにそんな事を言った。
頬を握りこぶしで拭って見上げる僕に向かって。

「こうしてさ」
言われながら臨也さんの指が僕の手首の内側をなぞる。握った拳に蛇のように長い指が割り込んで、抵抗も空しく二十本の指が絡んだ。恋人繋ぎ。そんな言葉が頭をよぎって、嫌な顔で繋がれた手のひらを見下ろした、途端にぐい、と両腕を下に引かれる。思わずなんのつもりだと顔を見上げた。顔を上げた拍子に剥き出しになった額に、降って来る口付け。
僕は雨だれに打たれる時のように目をつぶりながらそれを受け入れる。柔らかな一瞬の接触。
「一度許しちゃえばドアが開く」
見上げた先でぶつかる視線の先で、ほら、とでも言いたげに二重の目が細められる。長くてまっすぐなまつげが瞳孔に影を落とす。目の下にしわが寄る。
「君は馬鹿だよ」
また、言って笑った。僕を馬鹿にした目で。

絡めた指が僕の手のひらを拘束する。ぎゅうぎゅうに。
僕が逃げるだろうと予測している強さで。
「少しでもドアを開けちゃいけないのは一人暮らしの基本だろう?」
僕を両手で捕まえたまま臨也さんが喉を鳴らして笑った。僕を見下して、顎を上げて。
「君の母親は帰って来ないし、部屋には柱時計もないんだから」

そうしてもう一度降ってくる、口付けは僕の唇を掠めた。

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