2011-11

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学パロ

人のいない階段は寒い。
あれはどうしてあんなに寒いんだろうと考える。
学校はどこでも、廊下でも教室でも階段でも体育館でも、人がいないと寒い。
トイレとかだと人がいなくても寒かったりするが、あれはまあ、タイル貼りだからそんなもんだろうと思う。
だけど、ただの建物、例えば美術館とか病院とかと同じようなつくりであるのに、学校は寒い。
暖房が入っていないから、とかいうのとは違う理屈で寒い。立っているだけで足元から立ちのぼってくる、あの冷気はなんなのだろうと思う。例えば放課後。忘れ物を取りに戻った学校の廊下を知らず忍び足で歩いてしまう、あるいは足音を殺して一心に駆ける、そうさせてしまう寒さだ。
恐怖と似て、人にはりついてくる寒さだ。膜のような寒さだ。内側から息を凍らせる寒さだ。

廊下の突き当たり、あるいは曲がり角にある共同の手洗い場の水はひたすらに冷たくて、雑巾を絞る指が赤い。
冷たいのなんてただの神経反応。痛いのだって全てそう。ただの、触覚の延長。
そう呪文のように唱えてかじかんでもつれる指でぐじょぐじょの雑巾から水を搾り出す。
次の朝までチャイムの鳴らない校内にまだ残っている。
冷気がじわじわと背中へ押し寄せてきて、体に張り付く。
さっきから雑巾をゆすいでは絞っている指先はもう痛くて痛くてたまらない。小便を我慢している時のように足踏んで、寒さから気を散らそうと、まるで地団駄を踏むような格好で、それでも雑巾を洗っている。

こぼしてしまったのだ。
「遅い」
引き戸をかじかんだ手で開ける。せめて温めようと手の中に握りこんだまま、引き戸を押すようにおさえて、横に開いた先、夕日を背にして、腕組みをした男が机の上に座っている。尊大に。
教室の中はあたたかそうなオレンジの光に満たされて、それでもしんと寒かった。
鼻をすする。雑巾を持っていない右手で鼻の下をこすると、肌の冷たさに耳の後ろに鳥肌が立った。
「すまん」
ちょっと、笑う。自分でも意味のよくわからない笑いだ。癖のようなものだ。
「早く拭けよ」
政宗も笑う。唇の端をちょっと上げる、ぱっと見には上機嫌そうな笑いだ。
だけどその意味が見た目通りでないのを知っている。
ああ、と口の中で呟いて、高々と組んだ足を警戒しながら、政宗が座る机の足元にしゃがんだ。
汚れた上履きが肩に乗る。シャツに、靴跡がつくんじゃないか、と少しだけ危ぶんだ。小さいころ色々合ったせいか、忠勝はそういうのにうるさい。だけどジャケットを着るし、靴跡がついたところで払えば消える汚れだろう、と打算が働いて結論はまあいいか、に着地する。
黙って、固く絞られたままの形の雑巾を広げて机の足元、既になまぐさい匂いの液体を拭く。
床は拭えば拭うほどそこだけ綺麗になって不自然になるように思えた。何度か、雑巾をたたみ直して丁寧に拭き取る。上級生の教室だ。長い髪が一本だけ、水に濡らされて黒く塊になる埃、そんなものが雑巾に絡みつく。自分の体温を失って冷えている体液と一緒に。
まあこれでいいだろう、という程度まで拭い終わって、ふ、と息を吐く。儂の肩に乗る政宗の足が、儂を一瞬だけぎゅっと踏む。
「なんだ」
顔を上げる。うすく開いた足の間に自分の頭があることを改めて知る。雑巾から手を離して、膝を捕まえた。
「お前」
顔の脇にあるくるぶしに頬を押し付ける。しゃがんだままの体の重心を後ろに落として、人差し指を上履きの踵に引っ掛ける。汚れた上履き。それが、指一本で押しのけられてぺたんと床に落ちる。
黒色の靴下に顔を寄せると不機嫌な唸り声が聞こえた。
ズボンの裾に潜り込ませた指が、靴下の端を見つけ出す。布の下、生の肌に触れるべく潜り込んだ指二本が政宗の足を裸にする。
舐めたい、と思った。衝動のままに口を開く。くちづけた足の甲の下の、骨の固さが愛しい、と思った。頭の中に今日の理科の授業、骨格標本がフラッシュバック。足の甲、扇のような骨。うつくしいひとのかたち。
「また、床汚したら」
机の上に、儂から避難させるように足を乗せて、どこか引き気味に、後ろ手にのけぞって俺を見下ろす政宗が既に少し荒い息で笑う。
「また、テメーで片付けろよ……ッ」
足を離して、立ち上がって、まだ赤い指でシャツの襟の内側に触れる。びく、と震えた体の、首筋の皮膚はとても薄くて柔らかい。誘われるままに唇を寄せる。薄い肌を、人の、肉食の鋭さはない歯で食んで、吸う。
短い罵倒。きゅう、となおも吸うと息を吸う動きが直接唇に伝わった。すきだ、と思う。
このいきものを、すきだ、と思う。
僅かな間でも指を離すのが嫌で、首筋に触れた手を肌から離さず、第一ボタンまで降ろす。息継ぎのために離した口から漏れた息が、さっきまで吸っていたところにかかって、政宗が震えた。つるつるとしたボタンに爪を当てる。かつん、と硬い音。ノックのように二回、叩いて、乳首を触るときにみたいにつまんで、ひねる。
ぱらりと開いたシャツの隙間に冷たい指を忍び込ませて、冷え切った指にはあつく感じられる皮膚に触る。
ちゅう、ともう一度首に吸い付いた頭を、政宗の指がまさぐる。髪の中に突っ込まれた指。触られている、と感じて頭に鳥肌が立った。短い髪をかき回した手が不意に耳をつねる。
「止まんな、馬鹿」
くっくっと笑う、喉の動きが唇を震わせて酩酊する。頭はぼうっとするのに、指先ばかり逸って、気がつくと儂は政宗のシャツをすっかりはだけさせている。
顔を離して、ぼうっと政宗を眺める。夕日は傾いて、部屋の中の影はもう随分濃くて、暗い。
ランニング一枚にシャツを羽織っただけの姿で、ぶるっと震えた政宗が、不意に眉間に皺を寄せて、儂に顔を寄せる。唇を合わせて、キスをする。ぬるりと政宗の歯が儂の唇を舐めるのに、儂は唇を開かない。開けない。
呆然と立つ儂に苛立った政宗が、裸足の足で儂の膝を蹴る。子どもじみた仕草で。
「まさむね」
急に寂しくなった、などと、どう説明してよいかわからない。
「なんだよ」
鼻の上に皺を寄せる、彼にしかできない不機嫌顔で政宗が喧嘩腰に言い返す。
「続きは、家でしよう」
どう言っていいかわからぬまま、腕一本で顔を隠して落とした視線の先、儂の足元で汚れた雑巾が丸まっている。
長い髪が絡んだ、埃にまみれた、醜い雑巾が儂の体液を吸って、なまぐさい匂いで、丸まっている。


一命見たんだけど(2D)グロすぎて泣いた……あれ3Dで見れるとか猛者だと思う。熊狩れるレベル。
なんかヤンデル疑惑かけられてて山川さんに爆笑されたりとかされてますが、元気です。
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