2010-02

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヤンデレが会話してるだけ

いなくなったって失調とか欠乏で死んだりしないのにね!

僕の事を、指を指して笑った。傷つけてやろうという意図で細められた目は笑っていなかった。
相変わらず、変な人だと思う。何がしたいのかがわからない。下校途中でまたつかまった、と溜め息。道順をまた変えたのにこうして出くわすのは偶然なのか僕がわかりやすいのか臨也さんの勘が凄いのか、どっちにしても嬉しくないなあ、うんざりしながら考える。どうしたら当たり障りなく、かつすぐに解放してもらえるか。
「はあ」
とりあえず、どうとでもとれる相槌をうって視線をそらす。鞄の紐を握りしめている時点で負け。自覚はしている。だから指摘されても大丈夫、と自分に言い聞かせて予防線を張る。
大丈夫だとどれだけ自分に言い聞かせても、聞こえてしまった言葉を笑い飛ばせない。鉛の重さで胸の中に沈んで、触れた所から痺れが広がる。意図的に傷つけられるからこそ、じくじくと痛む。さりげない言葉で切られたときより、ずっと。
俯いて、足を速めた。関わりたくなかった。

「やだなぁ。無視しないでよ」
半笑いの目が僕を睨む。回り込まれて、足が止まる。呼吸の間に縮まる距離。反射的に上体を反らして後ずさったらそれはもう嬉しそうに笑った。

「あれ。ごめんね、傷付いちゃった?」
なにがごめんだ、頭の中で罵倒する。生来の負けん気が頭をもたげて、胸の奥の羊の口を塞いだ。
息を吸う。睨みつける。……ただで打ちのめされてなんかやるものか。
「臨也さんとしばらく距離を置け、って」
「え?」
「紀田くんに、言われてるんで」
親友の名前をひときわはっきりと吐き捨てて、右へ。足を踏み出して走り去る。鞄の紐を握りしめたまま。緊張と運動で呼吸の音と心臓の音がうるさかった。一拍おいてから僕を呼ぶ声。臨也さんらしからぬ焦った声にしてやったと片頬で笑った後に下唇を噛んで、追いつかれないようもつれる足を叱咤して人通りの多い方へ一目散。
冷たい風が剥き出しの眼球に当たって涙が出た。鞄の紐から手を離さないから、拭えなくて、ぼろぼろと零れる涙は凍えた頬を濡らして、肌がどんどんがびがびになる。

悲しくなんかない。
鼻水をすすりながら、涙を流しながら、全部生理現象だと歯を食いしばって、人混みの中でも足を止めないで、探す人なんか決まっている。

Read More »

スポンサーサイト

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

Q子

Author:Q子
東軍と佐助。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

bsr習作 (1)
告知 (2)
\デデーン/ (2)
ヒッキーさなだくん (3)
いろは譚 (1)
小十佐 (6)
家政が宇宙 (4)
伊達佐 (14)
いえまさかもしれない (12)
幸佐 (11)
デュラ (26)
お知らせとか (1)
bsr (1)
東方 (5)

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。